人間そっくりのロボット「アンドロイド」の開発に取り組む大阪大の石黒浩教授らの研究チームは12月から、大阪府吹田市の複合商業施設「エキスポシティ」で、人と対話できるロボットが接客などのサービスを担う実証実験を行うと発表した。改良点や課題を検証し、実用化を目指す。
「すみません、もう一度言ってくださいますか」。発表のあった29日、実際に接客を担った女性型のアンドロイド「U」が報道陣の受け付けを担当した。対話を通して不明点があれば、首をかしげて補助者に助けを求めるしぐさを見せ、人と連携する様子を紹介。フードコートでは2体の小型ロボットが利用客に好みを尋ね、お薦めのメニューを提案する様子も公開した。
東芝は、血液1滴から13種類のがんを発見できる検査技術を開発したと発表した。
この技術は、東京医科大学などと共同開発したもので、がん細胞から多く分泌される「マイクロRNA」と呼ばれる血液中の物質の濃度を測定し、胃がん、すい臓がんなど、13種類のがんの検出が可能。
研究段階では、新たに開発した小型検査装置を使用することで、2時間以内に99%の精度で識別できるほか、「ステージ0」と呼ばれる超早期のがんも見つけられるという。
2020年から実証実験を開始し、数年以内の実用化を目指す。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)マリンゲノミックスユニットは20日、県の特産品で知られる海ぶどう(和名・クビレズタ)の粒がある房部分で光合成や植物ホルモンに関連した成長に関わる遺伝子群が働いていることが分かったと発表した。この機能はツタ状の部分と異なり、陸上植物の葉と同じ遺伝子群が働いているという。「謎が多い生態の解明の糸口になる」とし、栽培・管理方法の改善にも役立つと期待する。
海ぶどうは全体が一つの細胞でできている単細胞生物で、ブドウのような複雑な形がどのように作られ、各部位がどんな機能を果たしているか謎が多い。養殖でも食用部位となる粒ができにくいこともあるなど形作りに関連した問題が養殖関係者を悩ませている。
1964年の東京五輪で使用された聖火台が、61年ぶりに製作地である埼玉県川口市に戻った。川口市は「鋳物の街」として知られ、聖火台は地元の鋳物師だった鈴木萬之助さんと三男の文吾さんが心血を注いで完成にこぎ着けた。2人は既に亡くなったが、四男の昭重さん(84)は「おやじの最後の仕事。川口のみんなで一つの宝物を作った」と振り返る。
京都府宇治市の世界遺産・平等院で15日、国宝の鳳凰堂(ほうおうどう)がライトアップされ、本尊の阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)や屋根上の鳳凰像などが、色づき始めた約200本のモミジと共に浮かび上がった。
16日からの夜間特別拝観を前に、報道陣に公開された。今年は世界遺産25周年を記念し、太陽光に近い高演色性LEDを使用。鳳凰堂の修理も進み、同日から昼間の内部拝観も再開する。神居文彰住職は「現代の明かりで照らされる中、世界遺産を守り伝える意味を一緒に考えていきたい」と話す。