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 山形大学術研究院の城戸淳二教授は仏壇メーカー、照明会社と協力し、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明を使って伝統工芸「蒔絵(まきえ)」の装飾パネルを試作した。

 蒔絵は漆器の表面に漆で絵や文字を描き、金粉などをまいて作るが、光とは相性が悪く、色あせや劣化が課題だった。有機EL照明は熱をほとんど持たず、紫外線を出さない特徴があり、仏壇仏具メーカーの保志(福島県会津若松市)が、山形大発のベンチャーで有機EL照明を手掛けるオーガニックライティング(米沢市)とパネルを共同開発。背面から揺らぐように照らすことで、優しく奥行きのある作品を浮かび上がらせた。



菅義偉官房長官は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を発令するかどうかについて「ぎりぎり持ちこたえている状況だ」と指摘した。東京都などで感染者が急増している現状を踏まえ「長期戦を覚悟していただく必要がある。国民に不便を掛けているのは一層厳しい強硬措置を回避するためだ」と述べ、外出自粛要請などの対応に理解を求めた。

 緊急事態宣言の発令を巡っては、安倍晋三首相が28日の会見で「瀬戸際の状況が続いている」と表明していた。

 菅氏は会見で緊急事態宣言発令の是非に関し「慎重に判断することが必要だ」と強調した。



WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長は26日、G20(=主要20か国・地域)の首脳会議で、新型コロナウイルスについて「数百万人が死亡する可能性がある」と述べ、各国に対策強化を訴えた。

26日、G20の首脳らが行ったテレビ会議で、WHOのテドロス事務局長は、世界的大流行を意味するパンデミックが「非常に急速なペースで加速している。全ての国が積極的に行動しなければ、数百万人が死亡する可能性がある」などと述べ、強い危機感を示した。

その上で、各国に対し、「感染の疑いがあるすべての人を検査・隔離し、感染経路を特定することは、選択肢ではなく義務だ」と述べ、感染拡大の防止を強化するよう訴えた。

また、世界的に不足している医療用マスクや防護服について、全ての国に生産を増やし、輸出制限をしないよう求めた。



欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、新型コロナウイルス感染拡大が夏に終息する公算は小さいとの見通しを示した。研究結果によると、シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも、ウイルスの活動が弱まらないという。

ECDCは、この分析が「感染者の隔離や職場でのソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)、学校閉鎖など一連の措置の重要性を浮き彫りにした」と指摘した。

さらに、迅速に対応しなければ、欧州では4月半ばまでに集中治療室の病床が不足すると警鐘を鳴らした。



文化庁は26日、「飛鳥美人」などで知られる高松塚古墳(奈良県明日香村、7世紀末~8世紀初頭)の石室壁画(国宝)の修理を完了したと発表した。2007年から石室を解体した上でカビなどの表面の汚れを取り除き、石に塗られたしっくいを補強。1972年の発見時の極彩色を完全に取り戻すまでには至らなかったが、一定の成果は残した。

 石室には「飛鳥美人」を含む男女群像のほか、四神像や星宿(星座)図などが描かれていたが、01年以降に石室内でカビなどによる劣化が確認された。修理は、古墳近くに仮設の施設を作り、東京、奈良の両文化財研究所が分担。日本画修復の専門家「装こう師」がカビなどを丹念に除去し、酵素や紫外線を応用した新技術も採り入れた。08年度以降で計27億円が投じられた。